


ボクは今でも音楽は好きだが、好きなことを仕事にするのは良し悪しで、ノレない音楽でも頑張らないといけないみたいな時はその分きつかった。特に年と共に同世代感覚がずれてきたかなと感じる時が増えると更にしんどい。
かと言って管理職に祭り上げられるのも面白くない。
やはり自分で道を切り開く、しかも変わらず自分にとって面白い対象を、と探した結果が環境系ビジネスの立ち上げだった訳だが、更に定年後フリーの環境系プロデューサーになった事で、ノレない仕事はしない、と言うワガママが実現したのが何と言っても一番嬉しい。
それが「甘夏オーナーズ倶楽部」(略して甘オ倶)。
で、キャリアを活かして好きなことを好きなようにやる、すなわち「これぞ大人のエンタメ」と言う訳だ。
「甘オ倶」は、小田原市江之浦(小田原と湯河原の間の片浦地区にある。スキューバダイビング発祥の地らしい)をベースに、耕作が困難になった農家さんからお借りして始めた無農薬、化学肥料不使用の会員制甘夏農園再生プロジェクト。会員の有志(世話人)で運営している。
地元のO氏(小田原の耕作放棄地再生を目指し、再生可能な農業を考えるワークショップを開催してきた「オレンジプロジェクト」の会場のオーナーであり、我々の作業を全面的に支援してくれた果樹園の地主さん)の支援なしには出来ない農作業は別として、世話人らのキャリアを活かした部分で言えば、収穫フェスを近隣の住民や活動団体と一緒にやり、参加者と一緒に採った無農薬甘夏は環境イベントに出店して活動費を稼ぎ、仕事納めではポトラッチパーティで盛り上がるなど、良くも悪くも文化祭のノリでやっている。
最近では、会員だけでなく一般の方も参加した収穫イベント「ザ収穫」用にランチを近所のカフェレストランに用意してもらった。
これは今後の地域活性に繋がる小さなキッカケ作りの試みで、そのためのメニュー開発、コストや価格決めはもちろん、事前事後のアンケートも取って今後の標準作りを目指した。当日は当然テーブルを作り、イスも並べて、30人の会食を会員や世話人のボランタリー作業によって実現したのだが、これは全く「エンターテインメント」だとボクは思う。
次回は今一番力を入れている展開事例とその狙い、同時に倶楽部が抱える課題を紹介しよう。
(2014.07.05)