東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第24回目の“ゲスト”は、コゲラです。
キツツキの仲間といえば、鳥好きじゃなくても、名前の通り、木を突く様や特徴的な風貌から多くの人が知っていて、愛着を持たれている鳥ではないかと思います。それと同時に、身近にはいない鳥、出会えると嬉しい鳥という雰囲気もあります。事実、僕がガイドや講師を務める自然観察会などで出会えると、多くの参加者が歓声をあげてしまうこともあるくらいです。
そんなキツツキの仲間のなかで最も身近に暮らしていて、出会う機会が多いのがコゲラです。キツツキの多くは和名の最後に「ゲラ」がつきます。
名前の通り小型のキツツキ類で、オスとメスで外見にあまり違いがありません。ほかのキツツキ類に見られるような鮮やかな赤色の羽などもなく悪く言えば地味、よく言えば落ち着いたシックな色合いのキツツキと言えます。
前述したように意外と身近にたくさんいて、特に秋から冬にかけてはシジュウカラやエナガなどと混群を作って、木から木へと食料を求めて小移動を繰り返しているところに出くわします。なので、大きめのシジュウカラの群れなどを探してその中に姿を探すのも一興だと思いますし、さらにコゲラの「ビィィィ」という声を覚えると探しやすいです。
また「キツツキと言えば!」のドラミング、木を素早く突いた(叩いた)時の音もその体の大きさに似合わず大きな音で、キツツキらしさを堪能させてくれます。
「キツツキは大自然の鳥だから…」なんて決めつけずに、是非身近なキツツキを探してみてほしいなと思います。
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰