東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第2回目の“ゲスト”は「ベニマシコ」です。
和名のベニマシコは「紅猿子」。紅い猿の子という字を当てますが、
猿子(ましこ)は猿の子ではなく、古くからの猿の呼び名です。
紅い羽根、そして猿のような赤い顔からついた名前とされています。
しかし、メスは体が赤くなく、薄い茶色がかった色で少し地味にも見えますが、
僕はこの派手さのない美しさがとても好きです。
ベニマシコは樹林や、林の縁にあるような草地を好むようで、
草地と林を行ったり来たりしている姿をよく見かけます。
食べ物は繁殖のときを除くと樹木や草の種が主なようです。
僕がベニマシコを探す手がかりにしているのが、
木であればアキニレとヤマハギ、草であればセイタカアワダチソウです。
僕の短いバードウォッチング歴の中で出会ったベニマシコのほとんどが、
これらの実をついばんでいる姿です。
また、姿が見えていない時でも
「ピッ」とか「フィッ」とかいう鳴き声を耳にしたときには、
しばらくそっと見ていると赤い顔をした、かわいい猿のような顔をした鳥に
出会えるかもしれません。
文&監修:三森典彰
撮影:三森典彰、山崎高志