東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第3回目の“ゲスト”は猛禽類、タカの仲間のノスリをご紹介いたします。
大きさは都会でよく見かけるハシブトガラスと大体同じくらい。
人が食べている物を奪うことで有名になった同じタカの仲間のトビよりも少し小さいです。
留まっているときには、白っぽい腹と腹巻のような茶色い帯状の模様が特徴。飛翔の際はやはりその腹帯模様と、翼前縁の真ん中あたりに黒っぽい斑紋が目立ちます。また、幼鳥や若鳥のときは白目が目立ちますが、成長するにつれて黒目がちになるので、若い時の方が精悍な顔つきで、成長につれて幼く、かわいらしく見えるかも知れません♪
繁殖は主に山の方に移動して行なうようですが、冬になると平野部の田んぼや畑、池沼や河川の周辺の開けた場所でよく見かけるようになります。獲物の多くをモグラやネズミに頼っていますが、小鳥や爬虫・両性類も狩っています。
馬糞鷹(*まぐそだか)という不名誉な別名もありますが、これは翼の模様が馬糞に見えるとか、かつて馬糞がたくさん転がっている時代にそれと同じくらいありふれたタカとされたとか、力が弱くて鷹狩りに利用できないからとか諸説あるようです。
(*「チョウゲンボウ」も同じ別名あり)
ともかく今でもタカの仲間としては比較的よく見かける種とはいえ、やはり東京や都市部でタカの仲間に出会えるのは幸せなことです。ふと電線 や水辺の木々に留まっていることもありますので、カラスの観察でもしながら「ノスリも混ざってないかなぁ…」なんて探してみてくださいね!
文&監修:三森典彰
撮影:三森典彰、山崎高志、橋本康平