東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第11回目の“ゲスト”は、ヒヨドリです。
今回ご紹介するのは「ヒーヨ、ヒーヨ」という鳴き声から
その名がついた“ヒヨドリ”です。
オスとメスで色模様が変わらず、尾が長いのが特徴です。
また「波状飛行」という上下に波を打つように飛ぶのも
遠くから見分ける良い観察ポイントとなります。
虫や小型の両生類・爬虫類、木の実や花びら、花の蜜など
様々なものを食料にしますが、
農家の方にとっては、葉物の野菜や果樹などを食い荒らす
害鳥としてのイメージが強いかもしれません。
鳴き声に話を戻すと、繁殖期には「ピッチドゥーイ」とよく鳴きます。
(私にはそう聴こえます)
僕にとって思い出深いのが、鳥を観察し始めた頃、
ヒヨドリたちが一斉に、まるでスターを出迎える女性たちのような
「ヒィヤァーー! ヒィヤァーー!」という甲高い声。
“あまり聴かない声で鳴いてるな・・・”と思っていると、
そのすぐあとに上空を「ツミ」という小型のタカが飛翔するのを確認しました。
どうやら警戒の声だったようです。
知識不足から「生死のかかった必死の叫び」を理解できなかったわけで、
このときヒヨドリから観察の大切さを学びました(苦笑)
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志、橋本康平