東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第12回目の“ゲスト”は、コサギです。
白鷺(しらさぎ)という言葉がありますが、
シラサギという種の鳥がいるわけではありません。
色が白いサギの仲間の総称です。
大都市である東京で最も普通に見かけるシラサギのひとつがコサギです。
その名の通りシラサギのなかでは小さいほうですが、
サギ類全体でみると中型ということになるでしょうか。
オスとメスは同色。
足は黒くて趾(あしゆび、鳥のつま先に当たる部位)が黄色く、
ほかのシラサギ類と見分けるポイントのひとつです。
繁殖期には後頭部に2本の冠羽と
胸や背面などに飾り羽が目立つようになります 。
足や翼を使って上手に獲物(魚類や甲殻類)を追い立て、
逃げる先を予測して高確率で捉え、捕えている印象です。
絶滅危惧種となっているコウノトリやトキなどの捕食と比べると
ずいぶんスマートで効率的。獲物となる水生動物が減少しても、
そこまで個体数を減らしていない要因のひとつなのかなと
個人的には思っています。コンクリートや人工構造物を背景に、
ゴミの中で捕食する光景もよく見かけます。
都市でもたくましく生きる姿に心打たれながらも、
「少しでも良い環境の中で暮らせるようにしてあげたい」
という気持ちにさせる鳥です。
ぜひコサギの優雅な姿や芸術的な捕食シーンを観察しながらも、
その生息環境の現状にも目を向けていただけると嬉しいなと思います。
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志