東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第13回目の“ゲスト”は、ウグイスです。
今回は「ホー、ホケキョ♪」でお馴染みのウグイスです。
日本では「法、法華経」と意味を持たせて聞きなしをしてきました。
ウグイス色はどちらかといえばメジロの色に近く、
一般の人にとっては想像より地味な色をしています。
一見地味な色の鳥ですが、目の上の白い眉のような帯模様と
小さな体はとても日本的なかわいさ、美しさではないかと思います。
なぜ名前と鳴き声と姿のイメージがここまで合わないかといえば、
藪の中に潜んでいることが多く、
人前に出てくることが少ないことに起因していると思います。
撮影する機会もなかなか得られていません(汗)
また、「ホー、ホケキョ」というあの鳴き声は
あくまでも繁殖期とその前後のみのさえずりで、それ以外の時期には
「チャッ、チャッ」とか「ジャッ、ジャッ」というような声で鳴いていて、
身近にいてもウグイスだと気づいていないことも多いでしょう。
僕の本来の仕事は自然環境の保全や再生、
そのベースとなる環境教育や体験学習なのですが、
その視点でウグイスを見ると、森林や草地を管理するうえで、
なんでもかんでも切り開いて明るく綺麗にするのではなく、
ある程度の暗がりや藪を残すという
環境整備計画の「ものさし、指標生物」となります。
来年の春「ホー、ホケキョ♪」という声が聴こえたら、
頑張ってその姿を藪の中に探してみてはいかがでしょうか?
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志、安部拓也