東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第14回目の“ゲスト”は、キジバトです。
東京の街中でよく見かける鳩には、外来種であり
元々は愛玩用や競技用であったとされるカワラバト(ドバト)と
このキジバトがいます。
餌やりなどで群れとなり、糞害などで取沙汰されているのは
前者のカワラバトです。
キジバトは雌雄が同色で、灰色がかった全体に、
背面や翼の根元側にキジを思わせる鱗模様があります。
ここから和名のキジバトがついたと思われます。
英名のTurtle Dove(海亀のような鳩)も同様に
この部分を海亀の甲羅の模様に見立てたものでしょう。
また、深い赤色の虹彩(黒目の周り)と、
首筋の淡いブルーと黒の縞模様がとても美しく見どころのひとつだと思います。
鳴き声は「デデポー・デデポーポー♪」とよく言われていますが、
僕には「ホロホローホロ・ホローホロー♪ ホロホローホロ・ホローホロー♪」と
聴こえます。
「山鳩」という別名もありますが、山地よりも平地で多く見かけ、
開けた環境のほうが好きなようです。
樹上でもよく見かけますが、深い森ではあまり見ません。
都市公園や畑などで通年見かけることができますし、
それらの周囲では電線などにもよく止まっています。
前述したように、目や首筋、背面の模様がとても美しい身近な鳥です。
「なんだ鳩か」なんて思わずに足を止めて、
しばし観察していただけると魅了されること請け合いですよ!
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志