東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第17回目の“ゲスト”は、カルガモです。
日本国内で一年中見られるカモは少なく、
その中で最も一般的なカモがカルガモです。
僕が子供のころ、三井物産ビルの池で繁殖したカルガモが
雛を連れて皇居のお堀まで引っ越しするのが、
決まってニュースになっていたことを思い出します。
雌雄であまり色模様は変わりませんが、
内陸で見かけるカモ類の中で、嘴が黒く先っぽだけ黄色いのは
カルガモだけの大きな特徴なので、見分けるのは容易かと思います。
独特で美しい色模様を持った種が多いカモ類にあって
カルガモは少し地味にも思えますが、
飛んでいる時、また止まって休んでいる時や採食時に
姿勢によっては覗き見える、翼を横断する光沢をもった
”翼鏡(よくきょう)“という部分の、
鈍く光る青とそれを挟む白い帯模様のコントラストは
地味なボディに映えます。
冬になると都内の不忍池や井の頭公園、石神井公園、葛西臨海公園などに
カモ類が冬越しにやってきます。
まずは身近なカルガモを覚えていただき、
そこから派生して色模様や大きさの比較で、
カモの勉強をしてみるのが良いかもしれません。
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志