東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第19回目の“ゲスト”は、ツミです。
野鳥観察をする上で猛禽類といえばひとつの憧れですよね。
野鳥観察の初心者からやっと少しだけ前に進んだ僕は
当然、猛禽類との出会いに毎回ドキドキしています。
そして東京の、特に都心に近い場所でも比較的出会う機会が多い猛禽類が
今回紹介するツミ。オオタカに近いタカの仲間です。
キジバトよりも少し小さいくらいの小型のタカで、
オスの方がメスよりもさらに少し小さいです。
オスは成鳥になると上面が青灰〜青黒色で、のどから腹にかけては淡い橙色、
メスは上面がオスより薄く灰褐色で、
腹部は灰褐色の波のような横斑が入ります。
最近では東京都内でも、まとまった森林や草地が広がる緑地や
パッチ状に緑地が残された地域では冬越しから繁殖まで見られます。
主に小鳥を捕らえて食べますが、
爬虫類や小型哺乳類、昆虫類を食べることもあるようです。
巣は針葉樹に…と書いてある図鑑もありますが、
広葉樹にも作っているのをよく見かけます。
しかし、巣材には針葉樹は欠かせないようで、
巣の近くにいるツミの親鳥を観察していると
針葉樹の枝を折っては巣に運ぶ姿がよく見られます。
昔から野鳥の観察をしていた方に話を聞くと、
以前はもう少し郊外に行かないと見られなかったり、
繁殖期間中に人に対しても威嚇行動をとっていたのに、
最近では、人の近くで生活することに慣れてきたように感じるとのことでした。
都会だからと油断していると、みなさんの上空でツミが狩りをしていたり、
雛を育てたりしているかもしれませんよ。
是非お近くの公園や緑地で探してみてください。
文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志